MARVEL Archive

Trouble Man

「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」公式サイト  アメリカンコミックの雄、Marvelは数多くのヒーローを輩出している。なかでも、星条旗をモチーフにしたコスチュームを身に纏い、ヴィブラニウム製の盾を携えるヒーローこそ、Marvelユニヴァースの中心人物だ。
 第二次世界大戦下のニューヨーク。合衆国政府は拡大するヨーロッパ戦線の影響から志願兵を募っていた。
 スティーブ・ロジャースは愛国青年である。彼はアメリカ合衆国の正義に殉じることこそ我が身の誉れと信じて、経歴を偽るまでして何度も新兵検査を受けるも、そのことごとくで失格の烙印を押された。一見して痩せっぽっち、喘息をはじめとする病歴の華々しいスティーブなので、どの検査官も彼を不適格と判断するのだ。それも宜なるかな。
 親友のバッキーことジェームズ・ブキャナン・バーンズは従軍することとなり、スティーブは笑顔で送り出したものの、その心中は複雑だ。自分は戦場に身を投じる覚悟ができているというのに、しかし大願は叶わず、銃後の身でできることといえば死地に赴く親友を見送るのみ。空き缶拾いは勘弁してくれ!
 執念がひとつの出会いを引き寄せた。エイブラハム・アースキン博士は戦略科学部隊における超人兵士計画の中心人物である。彼の開発した超人血清こそが計画のキモだ。
 超人血清の接種と直後の科学的施術によって、被験者は強靭な肉体を手に入れる。超人兵士軍団の創設はアメリカ合衆国の悲願であり、その実現こそ急務であった。
 アメリカの正義、つまり人類の自由と尊厳との守護者たらんと欲するスティーブ。そして、勇者たる資質を有する被験者を求めていたアースキン。それぞれの望みは互いの存在によって満たされて。
 かくして超人兵士計画は人体実験段階へと移された。そして誕生したヒーローこそ、キャプテン・アメリカである。

「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」を観た。

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喧嘩するほど仲が良い

 2012年の「アベンジャーズ」でフェイズ1の幕を下ろしたマーヴェル・シネマティック・ユニヴァース。これで終わるかというと然に非ず。抜群の興行収入をあげるドル箱コンテンツとなったからには、資本家はこれを簡単には手放しませんよ。
 大人の事情でマーヴェル・スタジオが扱えないキャラクターを除いても、未だ映画化の手垢のついてないヒーローやヴィランは数知れず。彼らを実写映画化するのは、撮影編集技術の著しく発達した今!
 そういうわけで、Marvel印のヒーローの活躍はまだまだ続きます。

 マーヴェル・シネマティック・ユニヴァースのフェイズ1が「アイアンマン」によって開幕したように、フェイズ2は「アイアンマン3」で開幕した。そしてフェイズ1がそうだったようにフェイズ2が収斂するのもまた「アベンジャーズ」だ。
 シリーズ作品第二弾、「エイジ・オブ・ウルトロン」は2015年の公開予定。今から楽しみである。
 この冬、日本に上陸を果たすフェイズ2作品は、雷神ソーの活躍を描いた「マイティ・ソー ダーク・ワールド」だ。
 アスガルドの王にして七つの世界を治めるオーディン。その息子にして王位の正当継承者であったソーが謀略によって追放され、その地における出逢いから精神的成長を遂げ、自らの使命に目覚めて試練を克服し、勇者となって帰還を果たす。
 シリーズ第一作目は、このように通過儀礼の物語として読み解くことができる。未熟なる狼藉者は力の拠って立つところを知ることで自らを省み、己の責任のもとに重大なる決断を下す。
 重大なる決断を実行に移した際、その行為によって崩壊する虹の橋(ビフレスト)に巻き込まれて、どことも知れぬ時空間へと流れ落ちてゆく「裏切り者」。ソーは"弟"の手をつかみそこねて。
 このときの悔いは、後のチタウリの地球侵攻時にソーの関与を促す。この一大事の裏に暗躍するのはロキ。ジェーンの住む世界を守らなくては。
 それだけではない。今度こそロキを止めなければならない。次こそは"弟"を救わなければ。
 宇宙の彼方から迫り来る危機に際して、地球上における最強のヒーローチーム、「アベンジャーズ」が結成される。

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英雄はここにいる

 さて、このときの約束通り「アイアンマン3」を再び取り上げる。いやあ、まさか年をまたぐとは思わなかった。ズルズルと先送りにしてたら、いつの間にか2014年になっていた。午年ですよ。ヒヒーン!

amazon:[単行本(ソフトカバー)] アイアンマン3:プレリュード (ShoPro Books)  本作も主演はロバート・ダウニーJr.だ。「アベンジャーズ」を含め、シリーズを通してアンソニー・スタークを演じてきた彼がまたまた登板。公私にわたってトニーのパートナーをつとめるヴァージニア・ポッツを、グウィネス・パルトロウ。トニーの盟友にして謹厳実直な軍人、ジェームス・ローズ中佐は前作とかわらずにドン・チードルが演じる。本作ではメガフォンを手放したジョン・ファヴローだが、役者としてはハッピーことハロルド・ホーガン役でシリーズを通じての皆勤賞を達成。
 ゲストは、アルドリッチ・キリアンを演じるガイ・ピアーズ、マヤ・ハンセンのレベッカ・ホール。そして「マンダリン」ことトレヴァー・スラッテリーを、かつてマハトマ・ガンジーを好演してアカデミー主演男優賞に輝いた、ベン・キングズレーが演じる。また、石油シンジケートとの癒着のあるアメリカ合衆国大統領をウィリアム・サドラー、副大統領をミゲル・フェラーの両ベテランが演じて脇を固める。

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また会う日まで

 今回、いつにもまして長い記事となった。いつものようにダラダラと思ったことを書き連ねてみたら、考えていたよりもずっとたくさんのことをあれやこれやと詰め込んでいて、正直、収拾つかなくなってしまった。
 我ながら驚いたね。びっくりだよ。
 だから、「字ばっかりで、しかもありえないくらいの長文って!」だとか「素人のレビューなんて読んでられない!」だとかいう向きがあっても、それを非難できません。その気持ちはわかります共感できますご尤も。
 でもって、「こんなのを読むより当の映画を観るわ」というアナタ、正解です。百聞は一見に如かず。実際に作品を観るのが一番!
 それでも、「なんだかんだで読んでみようかしら」という心優しき方がいらっしゃるのでしたら、どうぞお読みくださいませ。好きすぎて、いささか空回り気味になってしまった思いの丈を。
「アイアンマン3」を観た。

「アイアンマン3」公式サイト  シリーズを彩る顔ぶれは相変わらず。タイトルロールのアイアンマンことアンソニー・スタークを演じるのは、ロバート・ダウニーJr.だ。トニーの恋人でスターク・インダストリーズの現社長、ペッパーことヴァージニア・ポッツをグウィネス・パルトロウが、トニーの盟友ジェームズ・ローズ中佐は二作目から引き続きドン・チードルが、それぞれ演じる。本作では監督の仕事から降りたジョン・ファヴローは、スターク社の警備主任に就任したハッピーを演じてシリーズ皆勤賞を達成した。
 この面子に、ガイ・ピアーズ演じるアルドリッチ・キリアン、レベッカ・ホール演じるマヤ・ハンセンの科学者と、ベン・キングズレー扮する「マンダリン」が加わり、物語はシリーズの収束へと向かうのだが。
 物語は主人公の独白から始まる。
 その始まりはスイス。ミレニアムを祝うその夜。今から十年以上も前、トニー・スタークが遊びにうつつを抜かしていた頃のこと。
 一期一会を大切にせず、戯れのうちに幾つもの出会いを台無しにしていた男は、後に禍根となる化学反応を自らの手で成したまま、それを放置した。
 それから時間は流れ、一年前。地球を史上最大級にして未曾有の脅威が襲う。宇宙最強の呼び声も高い軍団、「チタウリ」による侵攻である。

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AVENGERS ASSEMBLE

「アベンジャーズ」公式サイト  この夏、アメリカンコミックの最大手、DCコミックとMarvelのそれぞれの看板をはるヒーローがスクリーンで大暴れ。三本の映画化作品が相次いで日本上陸を果たした。
 まずはMarvelから、優しき隣人が生まれ変わった「アメイジング・スパイダーマン」。次にDCのダークヒーローを代表するバットマンは、クリストファー・ノーランによる三部作最終章の「ダークナイト ライジング」がシリーズの掉尾を見事に飾った。そして再びMarvelからは壮大なサーガの集大成というべき「アベンジャーズ」が公開となり、このヒーロー山盛り映画が日本列島を席巻する。
 後になって振り返るに、2012年の夏は頗るつきに熱かったことをこれらの作品を観るたびに思い出すことだろう。ヒーローとともにあった夏の日のことを。

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コールの息子

 アメリカンコミック大手のMarvelで活躍するヒーローを集めた、クロスオーバー大作が映画化。2008年から続いた長き助走が、ここに結実する!
 全世界のアメコミファン待望の映画化作品だけあって、この作品には世界各地の興行成績を塗り替える勢いがある。そして、期待を裏切らないだけの魅力を確かに有する映画である。
 出演するはロバート・ダウニーJr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、サミュエル・L・ジャクソンら。主役級の顔ぶれだけで豪華というもの。それぞれトニー・スターク、ソー・オーディンソン、ブルース・バナー、スティーブ・ロジャース、ナターシャ・ロマノフ、クリント・バートン、ニック・フューリーを演じている。
 彼らは侍でこそないが外敵から地球を守る七人、地上最強の部隊を構成する七人だ。
 ただし、能力の高さと比例するように個性も強力な面子が揃っている。その代表格はトニー・スタークだ。スターク・インダストリーズの顔である天才科学者は、衝動的でナルシズムの傾向が強く、協調性に欠けると表されるほど。異邦人であるソー・オーディンソンに地球人類としての常識や思考は期待できず、ブルース・バナーの"もうひとつの人格"に理性を求めるのは無理。最もまともであろうスティーブ・ロジャースは浦島太郎状態にあり、その性格はあまりにも四角四面。これは生来のものであり彼が育った時代を考えると当然のようにも感じられる。スパイや暗殺者のナターシャ・ロマノフにクリント・バートンも十分に個性の強い人物なのだが、それが霞むほどに他の面子がずばぬけて物凄い。彼らを率いるニック・フューリーは性格を云々するほど内面を晒さず、いつも何か企んでいそう。謎多き人物という点では七人の中では群を抜いている。
 選りすぐりのメンバーで構成されたこの集団にして、チームとして機能するかどうかが地球存亡の鍵を握る。

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集合前の下準備

「アベンジャーズ」公式サイト  2012年8月17日、日本列島は「アベンジャーズ」公開当日を迎えた。これに先駆けて、公開を告げるテレビCMは攻勢を強め、更に14日からは先行上映が実施された映画館もあった。
 お盆の時期とあって、各家庭では迎え火を焚いてご先祖様を「アッセンブル!」ときたもんだ。

 アメリカンコミックの最大手、DCコミックとともに双璧をなすのがMarvelだ。「ファンタスティック・フォー」に「スパイダーマン」、「X-MEN」を擁するヒーロー軍団の中で、ひときわ輝かしい光を放つチームがある。主役級のヒーローが集結した最強部隊、「アベンジャーズ」がそれだ。
 全世界的に興行成績を塗り替えてきた怪物映画が、満を持して日本上陸を果たす。ここに至るまでに数本の映画をもって最強部隊のメンバーを紹介してきた点に、ハリウッドの底力を感じる。大風呂敷を何枚も広げて、そこで「手に負えないよぉ」と放り投げないところに、ハリウッドの良心と「ハリウッドに良心なんて笑わせる。Marvelヒーローがキラーコンテンツなんだよ!」という興行的魅力を感じさせられる。映画人の良心にせよ背筋主義者の金儲けにせよ、面白いヒーロー映画であればどんどん作ってほしいものだね。

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ANGER MANAGEMENT

amazon:[Blu-ray] インクレディブル・ハルク  この夏はアメリカンコミックのヒーローを題材にしたハリウッド映画が続々と日本上陸を果たす。
 DCコミックから、クリストファー・ノーランによってシリアスに生まれ変わった「バットマン」シリーズの最終章「ダークナイト ライジング」が見参。闇を駆けるヒーローの決着に、観る者は希望の光を見出した。
 Marvelからは、スパイダーマンの物語をリブートした「アメイジング・スパイダーマン」が先陣を切る。そしてMarvelヒーローのクロスオーバー大作、「アベンジャーズ」がついに公開だ。
 スーパーヒーロー大行進ともいうべき「アベンジャーズ」。そのヒーローのうちのひとり、ハルクの苦悩と葛藤を描いた「インクレディブル・ハルク」を観た。
 本作ではエドワード・ノートンがハルクことブルース・バナーを演じている。「アベンジャーズ」ではこれがマーク・ラファロに代わる。エドワード・ノートンのエリックがトニー・スタークやスティーブ・ロジャース、ソー・オーディンソンと絡むところは見たかったなあ。

 ブルース・バナーはガンマ線の研究に携わっていたのが、とある実験中に事故が起こり大量のガンマ線を浴びてしまった。その結果、ひとつの後遺症に悩まされる。
 怒り等の感情の高ぶりによって心拍数が上昇しアドレナリン血中濃度が高まると、ガンマ線の効果で全身が緑色に変色するとともに質量の増加を引き起こす。その巨体に相応しい怪力を手にしたブルースは、その外見から「ハルク(廃船)」と呼ばれる。
 一旦、ハルクに変化したなら、緑色の巨体にブルースの知性と理性は微塵も感じられない。内なる攻撃衝動をブルースは自分でも抑えられない。彼自身、この状態を忌避するのだが。
 アメリカ合衆国陸軍のロス将軍はブルースの身に現れた化学変化を軍事目的に利用するため、ブルースの身柄を拘束しようとするも、特殊精鋭部隊を繰り出してさえそれは叶わない。失敗続きのロスがとった次なる手段とは。

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Over the Rainbow

amazon:[Blu-ray] 【Amazon.co.jp限定】 マイティ・ソー ブルーレイ&DVDセット スチールブック仕様 「マイティ・ソー」を観た。
 本作の主人公は、DCコミックと双璧を成すアメリカンコミック最大手、Marvelが生み出したスーパーヒーローだ。
 このソー・オーディンソン、その名の通り大神オーディンの息子である。このことからわかるように、本作の世界観は北欧神話を題材にとっている。神話に登場する神々は強大な力を有する生命体であり、神話で語られる内容は実際に起こった出来事である、というのが基本設定だ。
 タイトルロールのソーをクリス・ヘムズワース、ロキをトム・ヒドルストンの若手が演じる。オーディン役でアンソニー・ホプキンスが出演し、その存在感で作品を締めている。ソーと絆を結ぶ地球人ジェーン・フォスターをナタリー・ポートマンが演じているのが意外だ。才媛もこういう作品に出演するのだな。ジェーンの指導教授にステラン・スカルズガルド。
 また、本作は浅野忠信が出演していることでも話題となった。
 本作は、目下公開直前となった「アベンジャーズ」に連なる作品だ。これまでもヒーローと接触し、その活躍に関与してきたS.H.I.L.D.の組織活動が本作でも見られる。というわけで、またまたS.H.I.L.D.エージェントのコールソンが登場。本作では、これまでにないくらいの出番が用意されており、地味ながらもその活躍に驚いた。
 S.H.I.L.D.長官、ニック・フューリーも例の如く登場。相変わらず出番は少ない。そして弓の名手、ホークアイことクリント・バートンが初見参。「インクレディブル ハルク」から皆勤賞のサミュエル・L・ジャクソン、「ハート・ロッカー」で命知らずの戦士を好演したジェレミー・レナーが、来るべき大演目に向けての顔見世で、それぞれに存在感を示す。

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星条旗よ永遠なれ

 2011年10月4日、有楽町のよみうりホールの試写会で、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」2D字幕版を観た。
「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」公式サイト  アメリカンコミックを代表する出版社にDCコミックとMarvelコミックがある。そしてそのどちらにもアメリカ合衆国の国旗、星条旗を模したカラーリングのコスチュームを身にまとうヒーローがいる。DCコミックにスーパーマンが、Marvelコミックにはキャプテン・アメリカが。
 全身で"アメリカの正義"を主張する二人だが、それだけにその行動には制限が付きまとう。強大な力を持つが故に、それを用いるには相応の理由が必要とされる。その行為は正義に基づいているのか? 私的な暴力、ヴィジランティズムなのではないか? その行動は公人のものとして常に監視され、是非を問われる。彼らは清廉潔白、公正であることが求められる。
 本作は、"アメリカの正義"の体現を強いられる男の物語だ。

 1941年、第二次世界大戦のさなか、ニューヨークにその青年はいた。スティーブ・ロジャースはもやしっ子だ。外見がひ弱というだけでなく喘息だの猩紅熱だのの既往症があり、入隊検査に落ち続けている。検査に五度不合格となり、その都度、兵士として徴用できないと告げられる。この結果に命拾いしたと喜ばないのがスティーブだ。国のために自分も戦いたいと願う。でも、もやしっ子。
 科学万博の会場内に入隊検査の窓口を見つけたスティーブは、ダブルデートの最中にまたも検査を受ける。今度こそ合格だ。絶対に諦めるものか!
 スティーブを検査したのは戦略科学部隊のアースキン博士。アースキンがスティーブに見出した素質こそ、彼と戦略科学部隊の推し進めるスーパーソルジャー計画に必要不可欠な要素だった。
 かくして、力の価値を知り、力のないことへの憐れみを知る善良な男が、アメリカ合衆国初の超人兵士となった。アースキンの研究と天才ハワード・スタークの技術とが完成させた装置は、アースキン調合による血清を被験者に注射するものだが、そのためにニューヨーク市の半分の電力を消費するという大掛かりなもの。スティーブひとりにこれだけのコストがかかる。それに見合うだけの成果は期待できるのだろうか?
amazon:【ムービー・マスターピース】 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』 1/6スケールフィギュア キャプテン・アメリカ  実験終了直後、政府役人の身分で入り込んでいたヒドラのスパイがアースキンを射殺。残っていた血清を盗み出す。これを追いかけるスティーブは超人的身体能力を駆使して、捕まえることに成功する。しかし、スパイは口内に仕込んでいた青酸カリを飲んで死ぬ。
 スティーブ・ロジャースは変わった。彼の捕り物劇は報道され、その記事でヒーローとして祭り上げられた。国民的ヒーロー、「キャプテン・アメリカ」の誕生である。
 しかし、戦略科学部隊のチェスター・フィリップス大佐が求めていたのは超人兵士の師団である。たとえスティーブが超人であろうとも、たったひとりでは意味がない。戦場で必要なのはチームの力だ。
 大佐に要らないと切って捨てられたヒーロー、「キャプテン・アメリカ」を拾ったのは上院議員だった。アメリカ国民に後方支援を訴えて、国債購入のキャンペーン活動のマスコットキャラクターに「キャプテン・アメリカ」を起用したのだ。アメリカの都市をまわって国債購入を訴え、戦地に赴いて慰安劇を演じる。「キャプテン・アメリカ」はコミックの主人公になり、彼が主役の映画が上映される。国威発揚の象徴、プロパガンダのヒーロー。これがスティーブの戦争だ。
 慰安先で親友の生死が不明と知って、スティーブは決断する。親友が捕虜になっているかもしれないならば、自分が確かめる。そして生きているならば絶対に助け出す。自分は何のために軍に入隊したのだった? 敵を殺すためではない。国を守り、同胞を守るために軍人になったのだ。絶対に諦めない!
 無謀としか云えない、たったひとりの救出作戦。ここに正真正銘のヒーロー、キャプテン・アメリカが誕生した。

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