MARVEL Archive
銀河負け犬分隊
- 2015年12月30日 04:04
宿題があった。MARVEL CINEMATIC UNIVERSEも「アントマン」をもってフェイズ2が終了。来年からはフェイズ3が幕を開ける。このブログでは、「アイアンマン」からMCU作品を取りあげてきた。ただひとつの作品を除いて。それが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」だ。
原題は「Guardians of the Galaxy」。これをカタカナ読みするだけなら、本当は「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」になるはずなんだけど(だから頭文字をとってGOTGと省略されることもある)、邦題を「銀河防衛隊」だの「俺たちゃ宇宙の愚連隊」だのとするならばともかく、ただカタカナ読みするのにあえて定冠詞「the」を消す理由がわからない。
ともあれガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。生まれた星から種族から外見から、何から何まで異なる、札付きの五人(四人と一本?)がチームを組んで、宇宙の平和を守るンだかそうじゃないンだか。
チームリーダーはスター・ロード。本名はピーター・クィル。幼少期、しかも母親の亡くなったその日にアブダクションされるという、「宇宙一ツイてない男」。比較的感情移入しやすいキャラクターということで、本来なら地球出身のスター・ロードを取っかかりにして作品への興味を持ってもらう。それが宣伝広報のアプローチとしては常套なのだろう。
ここ数年、アメリカンコミックの認知度は急速に高まっているものの、アイコンと化している古参キャラクター以外はヒーローもヴィランも区別がつかないのが日本のアメコミ事情。そもそも「ヴィランって何?」という疑問が浮かぶのが実際のところだろう。ちなみに、ヴィランとは「敵」という意味合いで間違いはない。
だいたいにおいて、MarvelとDCの区別もつかない、というのが一般的な認識の程度だろう。「どうしてアベンジャーズにスーパーマンが出てこないの?」という疑問は、一ツ橋系と音羽系の垣根を越えるくらいに難儀なことなのだが、この比喩は却ってわかりにくいかもしれない。
週刊少年ジャンプ連載「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィと週刊少年マガジン連載「FAIRY TAIL」の主人公ナツ・ドラニクルは決して顔合わせしないようなものだ。あ、この人選もややこしいか。
浸透の度合いはともかく、日本においてアメコミ読者やアメコミに興味を抱く向きというのは、ここ数年で着実に増えている。その証拠に、アメコミ翻訳本の刊行点数は急カーブを描いて上昇している。それだけの読者数を見込んでのことだろう。
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前科持ちでもヒーローさ!
- 2015年10月23日 18:18
金木犀の香る頃に「アントマン」を観た。
本作はMARVEL CINEMATIC UNIVERSEのフェイズ2を締めくくり、来年に開幕するフェイズ3へと繋げる役割を担う。
二代目アントマンことスコット・ラングを演じるのは、ポール・ラッド。
初代アントマン、「ハンク」の愛称で知られるヘンリー・ピムを演じるのは、ベテラン俳優のマイケル・ダグラスだ。
ハンクとその妻ジャネット・ヴァン・ダインの娘、ホープ・ヴァン・ダインをエヴァンジェリン・リリーが演じている。ホープがピム姓を名乗ってないところに、この父と娘の間の葛藤が窺える。
そして本作のヴィラン、イエロージャケットことダレン・クロスはコリー・ストールが、稚気と冷酷と狂気を見事に好演している。
もちろん言うまでもないことだが、スタン・リーはカメオ出演を果たしている。
監督は紆余曲折のうえペイトン・リードが、脚本と原案にはエドガー・ライトをはじめとする延べ四人の名前が連なることに。
でもってこの「アントマン」、現時点で続編が決定済みである。タイトルは「アントマン&ワスプ」だ!
つまり、彼女が二代目ワスプとなって私たちの前にお目見えするわけだ。2018年7月6日に全米公開となるようで、日本上陸が楽しみである。
その前に「アントマン」のレビューだ。前回はあまり主人公に触れられなかったが、今回こそはスコット・ラングを取り上げたい。
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二度目のチャンスを前にして
- 2015年10月16日 01:01
アメリカのコミックブック、いわゆるアメコミにおいて、特に長年続くタイトル数の多い出版社では、作品の多様性を担保するために幾つもの平行世界を設定している。
MARVEL CINEMATIC UNIVERSEはEARTH-199999。「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」の後をうけてフェイズ2を締めくくるのは、「アントマン」だ。
この製作会社が手がけるヒーローたちの世界観は、原作コミックのそれとは異なる。
正史世界(EARTH-616)とは様々な点で異なる映画作品の世界。現時点において、その違いの最たるものといえるのが、ハンク・ピムと彼に関する事柄だろう。
Marvel世界で「アントマン」の名で知られるヒーローといえば、「ピム粒子」の生みの親、ハンクことヘンリー・ピムである。
Marvelのキャラクターの中でも天才科学者のうちのひとりと数えられる彼だが、精神面に難があり、問題行為をよく起こす。
この夏、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」とともに日本列島を熱狂の渦に叩き込んだ「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」。この作品ではアンソニー・スタークがブルース・バナーの協力のもとにウルトロンを開発したのだが、これとて原作からの改変事項である。
ただし、この変更はそれ自体が改良と評してよいもので、ウルトロン開発はロバート・ダウニーJr.演じるところのトニー・スタークの心情、あるいは信条にかなう、天才科学者にとってみれば当然の行為であった。
それまで存在を知られていなかった天才科学者を新たに登場させて、その人物にいきなりウルトロンを開発させるよりも、シリーズ先行作品からの流れで危機意識と罪悪感に苛まれたトニー・スタークが開発する、とした方がよほど説得力があるというものだ。
この改変によって、ウルトロン誕生とそれに付随する事柄について、原作コミックであればハンク・ピムが負う功罪は、トニー・スタークのものとなった。
そして「アントマン」だ。
そもそもアントマンとは何か?
天才科学者ヘンリー・ピムがその研究の末に開発に成功した「ピム粒子」。これは原子間の距離を任意に変えられる働きを持つ。
とある物体を構成する全原子のそれぞれの距離を小さくすれば物体そのものが縮小し、原子間の距離を大きくすれば物体は拡大する。これは無機物に限定するものではない。有機体にも応用可能だ。
そしてそれを可能にしたのが、ピム粒子を液状化したものを搭載したスーツであり、極小ヒーロー「アントマン」のカラクリだ。
そしてここからが映画版の改変事項となる。
ハンク・ピムは自作したスーツを用いて、東西冷戦時代を伝説の工作員「アントマン」として活躍した。その活動の際に相棒であった妻を亡くしている(厳密には死亡したわけではないのだけれど、これ以降は便宜上「死亡」したものとして扱う)。
これらの変更点が、映画版「ハンク・ピム」のパーソナリティに影響を及ぼしている。
ハンクは現役のヒーローではない。彼はもうアントマンのスーツを着ない。それどころか老境に差しかかっている。体力を鑑みても無理はできなくなっている。
そして過去の出来事から、彼の妻であるジャネット・ヴァン・ダインは登場しない。彼女は「ワスプ」の名で知られる、Marvel世界の英雄だけれど、映画においては「死亡」扱いだ。
かくしてオリジナルのアントマン、初代アントマンの活躍は当事者の記憶と数少ない記録のなかに留まり、私たちは二代目アントマンの冒険を目にする。
ここまで散々ハンク・ピムについて説明してきたが、映画「アントマン」の主人公は彼ではない。
我らのヒーローとなるのは、前科者スコット・ラングその人だ。
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父と子と聖霊の御名において
- 2015年7月12日 14:14
「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」を取り上げる記事の第三弾。
まだ語ることがあるのか、と思われるかもしれませんが、イヤイヤまだまだ語り尽くせませんよ。「だとしても、もうちょっとうまく纏められない?」というお言葉には私も同意します。
いろいろ書いているうちに熱くなっちゃって、結果、ダラダラと長くなる。いつものパターン。悪い癖です。
特に今回は想像の翼をやたらと広げたところもあって。ただの妄想になってるなんてことも否定できません。
それにしてもよくもまあ語れる事柄があるものだな。たかがヒーロー映画じゃないか。はっきりいって大人の観るものではない。
なるほど。とはいえ同意するつもりはさらさらない。この手の謂いには慣れている。
よく考えてほしい。"くだらない"も"バカバカしい"も"面白い"と両立しないわけではないでしょう?
この作品の面白いところをワタシは幾つも挙げることができるンだけど、もしかして面白いところがわからなかった?
気付けなかったかあ、それは残念。
ロバート・ダウニーJr.にクリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワース。マーク・ラファロ、ジェレミー・レナー、スカーレット・ヨハンソン、サミュエル・L・ジャクソンの前作からの主要キャスト。息が揃って役柄もその関係性にもリアリティが感じられる。
これまで声の出演ばかりだったポール・ベタニーは本作でやっと顔を出すことができて、ドン・チードルにアンソニー・マッキーが演じる役柄は最後に大いなる栄誉を賜る。
そしてエリザベス・オルセンとアーロン・テイラー=ジョンソンは本作で掛け値なしの大活躍を見せる。
充実のキャストだ。そして前作に引き続いて監督と脚本を務めたのはジョス・ウェドン。系列作品から同じ地平に立った世界観を、「これでもか!」と煮詰めに煮詰めて神話へと昇華している。
確かに尺は長いし、単体作品としては世界観を理解するのに難しいところはある。瑕疵があることまでは否定しない。
でも面白い!
たった一度の観賞で三回分の記事を書かせてくれたのだ。面白くないわけがない!
劇場公開中にもう一度、最低でもあと一度は観に行きたいものである。
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神様ゲーム
- 2015年7月10日 04:04
ニューヨーク上空にワームホールを穿ち、侵略者を地球へと召喚したのは、悪戯と欺瞞の神、ロキ。
その計画の際に"大いなる存在"よってロキに貸与された杖は、侵略が失敗した後に行方知れずとなった。
その後、内部の腐敗とその告発によってS.H.I.L.D.は組織の解体を招いた。この事態にS.H.I.L.D.を隠れ蓑にしていたヒドラの残党は、さらに地下へと潜って。
バロン・ストラッカーは東欧ソコヴィアの古城に本拠を定め、人体実験による強化兵士の研究と人型の新兵器の開発に邁進していた。
それは現代科学を超越する内容だ。ヒドラ子飼いのアーニム・ゾラは既に亡く、スターク・インダストリーズ擁する科学者やガンマ線研究の世界的権威に比肩しうる天才が携わるわけでもないのに、人体実験は二例の成功を、ロボット兵器は量産体制が整うまでに至った背景には、ひとつの理由がある。
いずれの研究開発に関しても今一歩のところまでしか進んではいないけれど、逆に云うなら飛び抜けた天才の力を抜きにしてそこまでの成果を上げるまでに至ったわけで。
その理由とは?
ストラッカーと彼が率いるヒドラを導いたのは、"ロキの杖"である。
あともう少しで英雄ヅラした愚か者どもを倒せる。もうすぐヒドラの目指す秩序立った進化の道筋がこの世界に実現する。
あと少し。
もうすぐ。
究極の進化を果たす時は眼前に迫っている。
そこを襲撃したのが、英雄ヅラした地上最強チーム。
アベンジャーズ!
懸案だったロキの杖を奪還し、投降したストラッカーを捕らえ、任務は完遂したかのように思われたが、このとき既に罠へと足を踏み入れたアベンジャーがいた。
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南北戦争への道
- 2015年7月 6日 14:14
7月4日。あるハリウッド映画が封切られた。
ディズニー傘下の製作会社は、親会社のアイコンになぞらえて主演俳優をミッキーマウスと表する。
その俳優こそ誰あろうロバート・ダウニーJr.だ。この男が演じるのはアンソニー・スターク。Tシャツのセンスはさておいて、地球上で十本の指に入る天才科学者だ。
ミッキーマウスに愉快で魅力的な仲間たちが数多くいるように、ロバートの共演者も豪華だ。豪華なのは俳優陣なのか、それとも彼らが演じるキャラクターの顔ぶれか。
クリス・エヴァンスはスティーブ・ロジャース、クリス・ヘムズワースはソー・オーディンソン、マーク・ラファロはブルース・バナーをそれぞれ演じている。
そして"神"ならぬ身を酷使するクリント・バートンとナターシャ・ロマノフを演じるのは、ジェレミー・レナーとスカーレット・ヨハンソン。
サミュエル・L・ジャクソンとポール・ベタニーも忘れちゃいけない。
本作のステラン・スカルスガルドはイカレちゃいないし裸にならない!
また、先行する作品で顔見せ程度に存在をアピールしたワンダとピエトロのマキシモフ姉弟を演じたエリザベス・オルセンとアーロン・テイラー=ジョンソンが、本格的に物語に絡んで重要な役どころをこなす。
アメリカ合衆国の記念すべき建国の日。
この日、日本で公開されたのは、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」だ。
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敬天愛人
- 2015年7月 2日 12:12
偉大なるオーディンの息子、ソー・オーディンソン。彼は勇猛果敢ではあったが、それはつまり無鉄砲と同義。雷神の鎚「ムジョルニア」の力を恃んで戦いに明け暮れる日々であった。
一軍の将としては有用には違いないが、ソーを一国の王とするのは器が違う。
ソーとは兄弟としてともにオーディンとフリッガのもと育ったロキは、父王を尊敬するあまりに自分こそが後継者として相応しいと考えるようになる。軍事ならともかくソーに政治は無理だ。内政にせよ外交にせよ、それをこなすだけの能力がソーには無い。否、そもそもが資質に欠ける。
アスガルドの王を、王の中の王としての地位を、これまで通り維持するには、ソーではなくこのロキが王位を継がなければならない。自分にはその能力がある。王としての資質がそなわっている。
しかし現実は、ロキはアスガルドの第二王子。この現実を肯んずることのできない野心家は、謀略による王位の簒奪を企む。
一方、ロキの陰謀を知らず、己の短慮と傲慢によって追放された王位正当継承者。その流刑地はミッドガルド、地球。
ロキの裏切りに端を発したアスガルドのお家騒動。ここにおいてその影響はアスガルド内に留まらず、地球にまで波及することに。
物語世界の根本設定において、位相としてアスガルドの下部に位置するミッドガルド。
そもそも世界樹ユグドラシルに連なる九つの惑星のうち、「中央の囲い」たるミッドガルドは、その名が示すように中心に位置する。
そこに追放されたソー。ゴシックロマンの文脈から読み解くなら、この一連の流れは英雄が地下世界に追い落とされたのと同義だ。
通過儀礼を内包する英雄譚において、地下世界で待つのは賢者との邂逅だ。試練と正しい選択。これらを経て、英雄は新たな叡智なり力なりを授かる。
ロキの謀反は成功したかに見えたが、ソーへの脅威を拭えなかったことが敗北を招く。ロキはその奸計によって却って雷神の成長を促してしまう。つまり未熟者に対して、その機会を与えずともよいのに試練を課すこととなったわけだ(実際にソーに対して地球追放の処罰を下したのはオーディンだけれど)。
地球での出会いと出来事が、未熟だったソーに精神的成長を齎した。試練に打ち克ったソーは、ムジョルニアとの結び付きを新たにしてアスガルドへと帰還を果たす。
この後も、チタウリ襲来とそれに先立つロキの工作活動に際して、ソーは地球を救うべく新たな仲間たちと共闘する。
かくしてソーは、アベンジャーズの一員として広く地球人類に認知されるだけでなく、一部の地球外生命体にも知られるようになる。
ここまでが「マイティ・ソー ダーク・ワールド」へと至る雷神ソー・オーディンソンの物語である。
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獅子の勇猛と狐の狡猾と
- 2015年6月30日 12:12
「マイティ・ソー ダーク・ワールド」を観た。
世界樹「ユグドラシル」に連なる九つの世界。それらの世界を統べる神々の王は、アスガルドに都を構えるオーディン。その父親であり先王であるボーは、宇宙に光が生まれる前の世界をほしいままにしていた原始の種族、"ダーク・エルフ"との間に熾烈な戦争を起こした。
そもそもの戦火はダーク・エルフから上がった。
ダーク・エルフを統べる王はマレキス。彼は光に満ちた世界を忌み嫌う。そこで彼はこの"汚れた"世界を、再び闇で覆い尽くすべく、その実現のための最終兵器の使用を企図する。
無限の破壊力を誇るそれは、エーテル。
エーテルは物質をダーク・マターへと変換し、それをもってして世界を破滅させる威力を有する。また、液状でどんな形状をも取り得るエーテルは、物理的破壊が不可能であるのみならず、通常は生命体の体内に宿ることで存在を維持する。
エーテルの原動力は、宿主の生命力である。
宇宙を混沌の闇へと逆戻りさせたいマレキスにとってはまさに「鬼に金棒」といったところだが、エーテルを用いることができる機会というのは実は多くない。
九つの世界、つまり九つの惑星が一直線に並ぶ「コンヴァージェンス(惑星直列)」の間だけが、最終破壊兵器としてのエーテルの使用機会である。
五千年に一度訪れる「コンヴァージェンス」のさなかに「マレキス」が「エーテル」を手中にしたなら、この闇の王は必ずや最終破壊兵器を発動させることだろう。
だから、エーテル発動による世界の破滅を防ぐには、その発動条件を満たさないようにするしかない。いざ起こってしまった事態に対処するのではなく、予防措置をとるのが重要である。
ボーの率いるアスガルド軍は、ダーク・エルフの住まうスヴァルトアールヴヘイムへと侵攻し、マレキス率いるダーク・エルフ軍との戦闘に入った。そしてコンヴァージェンスの終わる刻限まで、マレキスに兵器としてのエーテルを起動させなかった。
宇宙の安寧秩序を守るボーは、一方で多くの犠牲を払いはしたが、エーテルの起動阻止という最低限の目的を果たした。しかし、エーテルそのものの破壊は成し遂げられずにいた。エーテルの秘めたるエネルギーの大きさに破壊を断念せざるを得なかったのだ。
この後、アスガルドはエーテルを隠し続けることになる。
アスガルド軍の邪魔が入ったことで宿願を果たすことの叶わなかったマレキス。ダーク・エルフの王は失意のなかにあったが、側近の激励によって捲土重来を期することに。
マレキスさえ生き延びれば、宿願は果たされる。コンヴァージェンスはまたその瞬間が到来する。最終兵器発動のその機会までにエーテルを手中にすればよいのだ。
敵に背を向けるのは屈辱なれど、ひとまずは撤退だ。
今は、待つ。条件の揃うそのときが来るのを!
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鬼が大爆笑!
- 2014年10月29日 22:22
来年は2015年。いよいよ「アベンジャーズ」の第二弾作品が公開となる。副題は「エイジ・オブ・ウルトロン」。最強にして最凶の人型兵器をめぐる大事件が発生するとかしないとか。
バッキー帰還の「ウィンター・ソルジャー」事件の余波で解体されたS.H.I.E.L.D.。この状況下に訪れる脅威、ってヤツ? どういう展開になるのか期待しちゃうよね。
公開前からいろいろと想像をめぐらせてしまうのだけれど、とにもかくにも、マーヴェル・シネマティック・ユニヴァースのフェイズ2を締めくくるに相応しい作品となるだろうことを、もはや期待ではなく信仰してしまっているのだ。盲信まであと一歩。
おりしも、フェイズ3のラインナップが明らかとなった。
えッ、もうフェイズ3ですか?
先走りしすぎちゃいませんか? 株価への影響大ですね。
このたびのアナウンスにおいて、これまでにマーヴェル・シネマティック・ユニヴァースとして映画化されたタイトルの新作は勿論のこと、新たに組み込まれたタイトルも発表された。
Marvelヒーロー作品の新たな映画化である。つまり、世界観がこれまでよりグンッと広がるというわけだ。これは風呂敷を広げることにも繋がるので、破綻してしまうのではないか、ちょっと心配。
破綻したなら破綻したで、アメコミ名物であり伝家の宝刀でもある「素知らぬ顔でリブート!」が炸裂するのではないだろうか。
それはそれとして、既にアナウンスのあった「アントマン」に加えて、新たに発表のあったタイトルは、「Dr.ストレンジ」と「ブラックパンサー」と「インヒューマンズ」、「キャプテン・マーヴェル」である。
黒人と女性を押さえた点については、さすがの商売上手と唸るしかない。
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あなたの親愛なる隣人より
- 2014年5月15日 23:23
現在、シリーズ最新作が公開中。映画館に足を運ぶ前に観ておかなければ、と「アメイジング・スパイダーマン」を観た。
アニメーション作品を含めると、このヒーローの映像化はこれで何度目になるのだろうか。映像化のひとつは日本の特撮ヒーロー番組。「鉄十字キラー、スパイダーマン!」ってヤツだ。巨大ロボットに搭乗するスパイダーマンというのは、今から思えば違和感を覚える。
DCコミックとともにアメリカンコミックの双璧をなすMarvel。このアメコミ大手においてスパイダーマンは古株である。
このヒーロー譚では、スパイダーマンは平和の実現・治安維持の役割を黙々とこなすのではなく、時にジョークを交えながらヴィラン(悪党)と戦う。
陽気さを持ちあわせる一方で、その正体であるピーター・パーカーは常人と同じような事柄に悩む。
それまでに描かれてきた万能型ヒーローの物語とは異なり、「スパイダーマン」ではその正体であるピーター・パーカーの日常生活が描かれる。そこにあるのは、世を忍ぶ仮の身分でもって犯罪を監視する姿ではなく、読者となんら変わるところのない、青少年としての等身大の姿である。
ピーター・パーカーという「特別だけど、どこにでもいる」主人公の姿を提示することから、「スパイダーマン」はそれまでにない画期的なヒーロー像を打ち出すことに成功した。このヒーローは感情移入の器としてうってつけであり、だからこそ熱烈なファンを獲得した。
ピーター・パーカーは常人を凌駕する力を有する一方で、同世代の少年とかわるところのない感性を持つ。自らの強大な力を認識すれば得意になるし、それも過ぎると増上慢に陥る。あるいはミスを犯して反省し、と思えば感情のままに行動する。
スパイダーマンは、世界の高みから人の世を睥睨する、神の如き姿形を持っていない。もっと気安い存在だ。他愛ない事柄を話しかけてくる隣人のような。
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