その他 Archive

掟も綻びも定めのもとに

amazon:[Blu-ray] ウォンテッド【Blu-ray ベスト・ライブラリー100】 「ウォンテッド」を観た。
 監督はティムール・ベクマンベトフ。主演のジェームズ・マカヴォイがたっぷりとアクションを見せる。アンジェリーナ・ジョリーが主人公の"運命の女"たる殺し屋を演じ、モーガン・フリーマンが暗殺組織のリーダーを貫禄たっぷりに演じる。

 ウェスリー・ギブソンは日常に倦んでいた。
 会社で顧客管理担当の仕事を務めるウェスリーは、上司の嫌がらせにひたすら耐えていた。同棲中の恋人は彼の同僚と浮気を繰り返し、そのことにウェスリーは気付いていた。住環境は劣悪で貯金額は僅か。明日は糞みたいな今日の繰り返し。日常はいつまでもウェスリーを苦しめて圧し潰す。
 ウェスリーはストレスを感じるとその感覚に変化が生じる。動悸がどんどん速くなり、それにつれて眼に映るものの動きが遅くなる。この症状を抑えるため、彼はパニック障害の薬を服用している。
 ある夜のスーパーマーケット、ウェスリーがいつものように薬を処方してもらっていると、二人の人間と目が合った。そのときから彼の人生は変わった。まさに急転直下で。

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無理が通れば道理引っ込む

 2011年10月10日、体育の日。運動会が催されているであろう巷を横目に映画を観る。つくづくインドア派。この日、有楽町はよみうりホールで試写会が催され、「カウボーイ&エイリアン」を観た。
「カウボーイ&エイリアン」公式サイト  ダニエル・クレイグが主演し、ハリソン・フォードとオリヴィア・ワイルドが脇を固める。主演作品をすぐに挙げられるダニエル・クレイグとハリソン・フォードはともかく、オリヴィア・ワイルドって誰だ? 謎はすぐに解けた。入場時に受け取ったチラシには名前の下に「トロン:レガシー」とあったが、かの話題作を観てない私にとっては「Dr.HOUSE」のサーティーンことレミー・ハドリーだ。ハンチントン病の彼女だよ。
 製作総指揮は"UFO大好き"スティーヴン・スピルバーグ、監督は「アイアンマン」シリーズのジョン・ファヴロー。ロン・ハワードが製作に名を連ねている。キャスト、スタッフともに豪華な顔ぶれを揃えた本作。その内容はと云うと度重なる宣伝攻勢に遭っているので、西部劇と異星人の第三種接近遭遇と云うかガチガチの戦闘を描いたものであることを知っていた。俄然興味がわく。
 1873年、アリゾナ。ライト兄弟の有人飛行実験の成功まで三十年の時間を待たなければならない地球人類と、異星探検を為し得る科学力とそれに見合った軍備のエイリアン。両者が戦って競り合うことなどあり得ないなのだが、これをどうにかしなければ物語はすぐに幕を下ろすことになる。科学力や軍備に歴然とした差のあるカウボーイとエイリアンで、いったいどのような戦闘が繰り広げられるのか、興味はその一点だ。

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母の決断

amazon:[Blu-ray] ヘルボーイ ゴールデン・アーミー  マイク・ミニョーラが生み出したダークヒーロー、ヘルボーイの映画化作品第二弾、ロン・パールマン主演の「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」を観た。
 本作も前作と同じくギレルモ・デル・トロが監督と脚本を務めている。題材こそ怪奇幻想文学に取っているが、怖いとか薄気味悪いとかいうよりむしろ笑いとバイオレンス、そしてラブロマンスと親子愛に彩られた人間ドラマがその本質だった前作。本作にもテーマがあり、これが作品を引き締めている。このおかげで本作は単なる娯楽要素満載のアクションホラーに落ち着いていない。
 ヘルボーイのチームは新たな指揮官を迎えることに。これが実に人間離れした存在で、超常現象調査防衛局はいよいよもっておもちゃ箱めいてきた。環境の変化は要するにテコ入れであり、これによってテーマを浮き彫りにするのが狙いだ。新入りが掻きまぜた後に底から浮かび上がるのは、何であろうか?
 人間世界を破滅させる兵器を巡ってヘルボーイたちとエルフの王子とが争う。これが物語の本筋であり、ここに晴れて恋人となって新たな局面を迎えることとなったヘルボーイとエリザベス・シャーマンの恋愛模様、加えてエイブラハム・サピエンとエルフの王女との間に淡いロマンスが生まれ、つまりは血みどろの抗争と愛が同時に描かれるわけだ。そして、新しい上司との軋轢と融和。やはり、対照的だ。
 こうしてみると、見事なくらいに人間ドラマのお膳立てができている。怪奇幻想の要素に触れずに本作を語ったならば、山田洋次監督作品かと勘違いしてしまうかもしれない。亡き渥美清がヘルボーイを演じたとしても、それはそれで違和感なく観られるのではないだろうか。「ヘルボーイはつらいよ」って。

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父の背中

amazon:[Blu-ray] ヘルボーイ 「ヘルボーイ」を観た。
 マイク・ミニョーラ描くところのヘルボーイが実写映画となり、タイトルロールを演じるのはロン・パールマンときた。ロン・パールマンと聞いて、その決して二枚目と云えない面相を思い浮かべる。ロン・パールマンがヘルボーイ。ウン、絶妙の配役だ! しかも監督はギレルモ・デル・トロ。この作家はそのキャリアのなかで、闇に生きる者どもへの偏愛を示してきた。ヘルボーイも闇に紛れて活動する。また、マイク・ミニョーラの絵の特徴はくっきりした陰影である。闇をどう見せるかは映画化に際しての最重要事項だ。映画自体が光と影の芸術である。ここまで「光と影」のキーワードが揃うのも珍しい。この映画化はなるべくしてなったと云ってもよいのではないかな?
 職人と素材の幸福な出逢い。これに期待するなと云うのが無理ってモンだ。

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