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嘆きのボイン

amazon:[DVD] ジョナ・ヘックス  ミーガン・フォックスが出演しているということで、彼女のヌード映像を期待したのだが、これが期待はずれ。"西部劇"で"酒場の娼婦"で"グラマラスボディ"を誇るのなら、おっぱいのひとつもポロリするのが最低限の責務だろうに。
 ジョシュ・ブローリンがタイトルロールを演じ、ジョン・マルコヴィッチが悪役だ。本作が男臭い風が頬をなでるような映画だというのは、この配役ならば観るまでもなくわかるというもの。同時にお色気パートが不足気味だということも。そのためのミーガン・フォックスだろうに! 乳首のひとつも見え隠れしないなんて!
 責任者、出て来い! 映画の撮り方ってモンを教えてやる!
「ジョナ・ヘックス」を観た。
 本作は、日本では劇場公開されなかった。原作は同名のアメリカンコミック。ジョナ・ヘックスとはDCコミックのヒーローの名前だ。南北戦争後のアメリカを舞台に活躍する、屈託のあるヒーローだ。DCコミックといえば「スーパーマン」や「バットマン」、今年公開された「グリーンランタン」は日本でもよく知られているけれど、ジョナ・ヘックスは一般的な日本人が想像するアメコミのヒーロー像に合致しない。なるほど、劇場公開されなかったのもむべなるかな。

 南北戦争では南軍に属して勇名を馳せたジョナ・ヘックス。上官であるクエンティン・ターンブル将軍に命じられた病院攻撃に異を唱えて、将軍の息子で友人でもあるジェブ・ターンブルと諍いを起こし、その結果、彼を殺してしまった。そのまま南軍を裏切ったジョナ・ヘックスをターンブル将軍は許さない。
 戦争終結後のある夜、ジョナ・ヘックスは妻子と団欒を楽しんでいた。そのさなか、彼らをターンブル将軍とその一味が襲う。息子を殺され、自軍を裏切られた恨みと憎しみとがターンブル将軍を衝き動かす。ジョナ・ヘックスの妻子を焼き殺し、磔にしたジョナ・ヘックスの右頬に焼き印をつける。そしてそのまま放置し、ジョナ・ヘックスが死ぬのに任せた。
 瀕死のジョナ・ヘックスを救ったのはネイティヴ・アメリカンのクロウ族だ。秘術によって蘇ったジョナ・ヘックスはそれ以後、死人と言葉を交わせるようになる。そして、カラスが彼を導くようになる。
 ジョナ・ヘックスは追う。妻子を殺したクエンティン・ターンブルを。復讐を果たすために。

amazon:[ペーパーバック] Jonah Hex: Origins  作品の梗概をアニメーションが語って、そのさなかにターンブルが死んだとあり、拍子抜けした。えっ、宿敵が死んだの?
 びっくりしてるうちに最初の山場が始まる。デッド・オア・アライブの賞金首をきっちり殺して四人分、生死を問わずとはいえ、四体分を引かせるのは馬が気の毒と、ひとりは首から上を頭陀袋に入れて運ぶとは、なんとカッコイイ! 賞金を払うのを渋り、そのうえジョナ・ヘックスにかけられている賞金欲しさに彼を裏切る保安官とその取り巻き。彼らが手にしたのはガトリング銃から放たれる銃弾の雨あられ。
 たとえ保安官だろうと、スジの通らないことをするクソ野郎を殺すことに躊躇はない。ジョナ・ヘックスとはそういう男だ。"アメリカの正義"を気取るつもりはない。私闘だろうと復讐だろうと、そこにスジが通っていれば文句はない。所詮はアウトローだ。大統領が命令しようとも、それがなんだというんだ。俺には関係ない。
 ジョナ・ヘックスを動かすには、ひとりの男の名前を出すしか手はない。そうはいっても、死んだ男の名前にどれほどの神通力があるだろうか?
 えっ、クエンティン・ターンブルが生きている?
 それが本当なら話は別だ。ジョナ・ヘックスの出番だぜ。

 死んだとばかり思っていた宿敵が生きていた。ジョン・マルコヴィッチを配役しておいてすぐに死なせるのには理由があると思ったが、「実は死んでませんでした!」が待っているとは。これがアメコミ仕立ての魔法ってやつか。
 宿命の対決が待っているのはわかった。そうとなるとミーガン・フォックス演じる酒場の女が人質になるのも織り込み済みだ。ここまで本筋が決まってしまうと、あとはその道程をいかに楽しませるかが鍵になる。死者と会話を交わせ、地獄もかくやの火炎で燃やすことのできるジョナ・ヘックス。生者より死者とのほうがよっぽど気安く話せているのが面白い。また、特注の武器もケレンたっぷりで見ていて楽しい。

 ジョナ・ヘックスを表現するのにピッタリな単語は、「反骨」だ。上官の命令や友人の言葉に従わず、私刑をせずにはいられなかったターンブルの気持ちを受け入れられず、重傷を負ってさえも自ら死ぬことを許さない。ターンブルの焼き印をそのまま頬に残すことを我慢できず、新たにその上から肉を焼いて焼き印を消してみせたところに、ジョナ・ヘックスという男の生き様が窺える。嫌なものは嫌という、そんなシンプルな生き方は、たとえ無法者であっても容易に貫けるものではない。しかし、ジョナ・ヘックスは頑なにこれを貫いている。ただのわがままだ。難儀な生き方だが、ジョナ・ヘックスはこんな風にしか生きられないし、こんな男だからこそ魅力がある。
 反骨精神を鋳型に流し込んだような男だから、ジョナ・ヘックスは宿敵が野心を実現するのを許さない。嫌いな奴の邪魔をする、嫌いな奴を殴りに行く。単純な構造だ。やはり西部劇はシンプルな展開が面白い。
 宿敵がどんなに強大な力を手に入れようが関係ない。たとえ万民が納得する大義名分を宿敵が得ようとも、ジョナ・ヘックスはそんな事情を無視して宿敵を斃す。正義も悪も関係ない。ジョナ・ヘックスがジョナ・ヘックスである以上、これは避けられない。
 予定調和的展開をあえて外す必要はない。なにしろ西部劇なのだから。頑なな男の、そうとしか生きられない不器用な道行きを追うのならば、それでもお色気対策くらいしておくのが観客へのサービスだろうに。
 結局、おっぱい不足を嘆く内容になってしまったが、おっぱい不要論者は観てみるがよい。過剰なまでのおっぱいサービスに対して排斥を訴えるイデオロギーの持ち主であっても、本作を観れば「若干だけど、おっぱいが足りない」ときっと云うはずだ。だって、人間だもの。

 何を語りたいのやら、自分でもよくわからん!

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